EucalyptusAdministratorGuide_v1.5.2
Eucalyptus (ユーカリプタス) 動作条件 (version 1.5.2) †
以下に Eucalyptus を構築・実行するために必要な、アプリケーションの依存関係など、幅広い動作条件を記載します。サポート済みのディストリビューションの依存関係は、そのディストリビューションを使っている場合だけではなく、ソースからインストールを試みる場合にも、役立つ情報になるでしょう。
1. ソースからのコンパイル時に必要な環境 †
- C 言語コンパイラ
- Java Developer Kit (SDK) version 1.6 以上
- Apache ant 1.6.5 以上
- libc 開発環境*1
- pthreads 開発環境
- libvirt 開発環境
- Axis2C 及び rampart 開発環境 (Eucalyptus に同梱されています)
- Curl 開発環境
- openssl 開発環境
- オプション: zlib 開発環境
2. Eucalyptus の実行に必要な環境 †
Eucalyptus は「フロント・エンド」として動作するか、それとも「ノード」として動作するかによって、必要となるコンポーネントが多少異なります。「フロント・エンド」か「ノード」かによって、実行時の動作条件が異なるためです。ですが、1台の物理マシンは、「フロント・エンド」と「ノード」の役割を兼ねることができます。
フロント・エンド実行時の動作条件 †
- Eucalyptus のフロント・エンドとして実行している コンポーネントは、Java 6 が必要です。その際、多くの Linux ディストリビューションでは、Java 向けの GNU コンパイラ(gcj) が組み込み済みですが、それだけでは不十分なので注意してください。環境変数 JAVA_HOME が、JDK が存在している場所に、正しくパスが通っているか確認しなくてはいけません。
- Apache ant はクラウド・コントローラを実行時に必要です。
- Perl は、便利なスクリプトを使う際に使用します。
- クラウド利用者のメールアドレスあてにメールを送信するために、先頭のノードではメールを中継(relay)できるようポート 25 番でメールサーバを動作させる必要があります。メールサーバにはSendmail、Exim、Postfix など、シンプルなもので構いません。メールを受信する設定を行う必要もありません。ほとんどの Linux ディストリビューションは、この条件を満たすでしょう。ローカルホストからのメールの中継が正しく行われているかどうかは、それぞれのサーバの端末から"mail" コマンドを使い、自分自身にメールが間違いなく届くかどうかテストを行ってください。
- ネットワーク機能をサポートする依存関係は、Eucalyptus の動作モードにより異なります(詳しくは、ネットワークの設定を御覧ください)。それぞれ、次の条件を満たしてください。
- すべてのモードで必要
- iproute 及び iptables パッケージ( ip と iptables コマンドが動作すること )
- SYSTEM モードを除くすべてのモード
- DHCP サーバと互換性のある ICS DHCP デーモン version 3.0.x(dhcp3-server)
- MANAGED モード・MANAGEN-NOVLAN モード
- bridge-utils パッケージ(brctl コマンドが動作すること)
- MANAGED モード
- vlan パッケージ(vconfig コマンドが動作すること)
- 永続的にダイナミック・ブロック・ストレージ(別名 EBS )を使用する場合、フロント・エンドには次のパッケージをインストールしておく必要があります。
- lvm2 パッケージ(lvm コマンドが使える等)
- aoetools パッケージ。aoe モジュールは、すべてのノードはもちろん、フロント・エンドでもロードしておく必要があります(modprobe aoe)。Linux カーネルが ATA-over-Ethernet をサポートしていない場合、サポートするようにしてください。
- vblade パッケージ
ノード実行時の動作条件 †
- Perl スクリプトがノード・コントローラによって実行されます。
- 2種類のハイパーバイザーをサポート
- 1. Xen (version 3.0.x 以上)
- 更に xen-utils パッケージが必要です( xm コマンドが動作すること)。
- 2. KVM
- ネットワーク機能をサポートする依存関係は、Eucalyptus の動作モードにより異なります(詳しくは、ネットワークの設定を御覧ください)。それぞれ、次の条件を満たしてください。
- すべてのモードで必要
- iproute 及び iptables パッケージ( ip と iptables コマンドが動作すること )
- MANAGED モード・MANAGEN-NOVLAN モード
- bridge-utils パッケージ(brctl コマンドが動作すること)
- MANAGED モード
- vlan パッケージ(vconfig コマンドが動作すること)
- libvirt パッケージ(ハイパーバイザーによって異なりますが、ほとんどは libvirtd です。)
Eucalyptus の全コンポーネントについて †
- Eucalyptus コンポーネントのインストールや起動は、 root 権限で実行してください(標準の設定では、起動後は別のユーザ権限で動作します)。なお、本ドキュメントでは、すべてのコマンドが root によって実行されていると仮定させてください。
Rocks 利用者向けの注意事項 †
Eucalyptus 1.5.2 では、Rocks ベース(version 5 以上)のクラスタ上へインストール可能です。その際、Java をフロント・エンド上にインストールしなくてはいけません。また、各下層マシン・コンテナが xen で動作するようにします。動作時に注意してください。残念なことに、最新版の Rocks では、素のままインストールされている JDK の java は、不十分なものです。「手動で」 JDK 1.6.0 をインストールしてください。
3. ディストリビューションごとの必要環境 †
Eucalyptus を構築・動作に必要となる、それぞれの Linux ディストリビューションごとの動作条件です。
- openSUSE 11.1 では、次のコマンドで、動作に必要全パッケージを組み込めます。
yast2 -i bzr python-paramiko make gcc ant apache2 apache2-devel\
java-1_6_0-openjdk java-1_6_0-openjdk-devel libvirt-devel libcurl-devel\
vlan dhcp-server bridge-utils ant-contrib ant-nodeps curl libvirt
- Ubuntu 9.04 では、次のコマンドで、動作に必要全パッケージを組み込めます。
apt-get install bzr gcc make apache2-threaded-dev ant openjdk-6-jdk\
libvirt-dev libcurl4-dev dhcp3-server vblade apache2 unzip curl vlan\
bridge-utils libvirt-bin kvm
- CentOS 5.3 では、次のコマンドで、動作に必要全パッケージを組み込めます。
yum install -y java-1.6.0-openjdk-devel ant ant-nodeps libvirt-devel\
curl-devel httpd httpd-devel apr-devel openssl-devel dhcp
- Debian では、次のコマンドで、動作に必要全パッケージを組み込めます。
apt-get install gcc make apache2-threaded-dev ant openjdk-6-jdk\
libvirt-dev libcurl4-dev dhcp3-server vblade apache2 unzip curl vlan\
bridge-utils libvirt-bin kvm sudo
詳細なインストール方法については、ディストリビューションごとの詳細ページを御覧ください。
5. Eucalyptus との連携 †
Eucalyptus を直接制御したい場合は、EC2 互換のコマンドラインで動作するツールをインストールしなくてはいけません。euca2oolsという、コマンドライン・ツールの導入方法に関するドキュメントは Eucalyptus チームから配布されています。ユーカリの生態系というページでも紹介しているように、ほかにも多くのサード・パーティ製のツールを使っての連携もできます。
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原文:http://open.eucalyptus.com/wiki/EucalyptusPrerequisites_v1.5.2