CloudStack/概要

CloudStackのインストールが終わったのであれば,次にCloudStackの初期設定を行っていきます. ここからは,Management Serverで作業を行ないます.

Zoneの設定

CloudStackのインストールが終わった直後は,Zoneの設定を行っていないため,まだ仮想マシンを作成することが出来ません.
ブラウザにもConfigureのタブしか表示されていません. ですので,まずはZoneの設定を行ないます.
ブラウザ上で,Configure->Zonesと移動し,Add a Zoneをクリックします.
各入力項目は,以下のようになっています.

Name:Zoneの名前.
DNS1:Public Networkで利用出来るDNSサーバのIPアドレス.
DNS2:DNS1と同じ.
Internal DNS1:ローカルネットワーク内でのDNSサーバのIPアドレス.基本的にNATの構成を取るため,DNS1と同じで良い.
Internal DNS2:Internal DNS1と同じ.
Guest CIDR:GuestOSに割り当てるローカルIPアドレスを入力.XXX.XXX.XXX.XXX/YYの形式で入力する.

Name : CloudStack Zone
DNS1 : 192.168.0.1
DNS2 : 192.168.0.2
Internal DNS1 : 192.168.0.1
Internal DNS2 : 192.168.0.2
Guest CIDR : 10.1.1.0/24

Zoneの設定後は,PodとPublic IP Rangeの設定を行ないます.

Podの設定

Podの設定では,PublicネットワークのIPアドレス,またその範囲を設定します.
入力項目はPOD.CIDR,IP Rangeの3つです.
各項目に入力すべき内容は,以下の通りとなっています.

POD:そのPodを一意に示す名前を入力します.単に名前をつけるだけですので,何を入力しても構いません.
CIDR:Public NetworkのIPアドレスとネットマスクを設定します.CIDRと書いてある通りXXX.XXX.XXX.XXX/XXの形式で入力します.Zoneで設定したのはLocal NetworkのIPアドレスで,ここで入力するのは,Public NetworkのIPアドレスです.
IP Rangeは,CIDRで設定した中でCloudstackが割り当てるIPアドレスの範囲を設定します.入力欄が2つありますので,開始アドレスと最終アドレスを入力します.

例.

POD:Public Network
CIDR:192.168.0.0/24
IP Range:192.168.0.3 - 192.168.0.253

Public IP Rangeの設定

Public IP Rangeの設定では,Public Networkの情報を入力します.
入力項目は.GatewayとNetmaskとIP Rangeの3つです.
各項目に入力すべき内容は,以下の通りとなっています.

Gateway : Public Networkで利用しているGatewayのIPアドレス.
Netmask : Public NetworkのNetmask.
IP Range : Public Networkで利用するIPアドレスの範囲.Podで設定したIP Rangeと同じ.

例.

Gateway: 192.168.0.1
Netmask: 255.255.255.0
IP Range: 192.168.0.2 - 192.168.0.253

ここまで設定すると,ブラウザ上にConfigure以外のタブが表示されます. Computing Nodeの設定を正しく行なっていれば,Dashboardに利用出来るリソースが表示されています.
以下の図ような画面が表示されれば,クラスタ環境は正しく構築されています.

Dashboard.png

Storageの設定

Zoneの設定後は,Storageの設定を行ないます.
Storageの設定では,Primary StorageとSecondary Storageの設定を行ないます.
ここでは,Storageを提供するサーバはManagement Server,Computing Nodeとは別に別途Storage Serverとして,NFSを提供しているサーバを用意しています.

Primary Storageの設定

まず,ブラウザ上でStorage->Primary Storageと移動しAss Primary Storageをクリックします.
その後,Primary Storageの情報の入力を求められるので,ストレージサーバの情報を入力します.
Management Serverがストレージをマウントできれば,利用可能なストレージが登録されます.
なお,Primary StorageにはNFSとiSCSIが利用可能です.
Primary Storageで入力する情報は以下の通りとなっています.

Availability Zone : 登録するディスクスペースを利用するZoneを選択します.
Pod : Availability Zoneと同じく,Zone内でも,ディスクスペースを利用するPodを選択します.
Name : Primary Storageの名前を入力します.ユニークな名前であれば何でも構いません.
Protocol : ディスクスペースをどのプロトコルで利用するかを選択します.Primary StorageではNFSとiSCSIが選択できます.
Server : Primary Storageを提供するServerのIPアドレス,またはFQDNを入力します.ServerはManagement Serverからアクセス出来る必要があります.
Path : NFSまたは,iSCSIでマウントするための,Pathを入力します.

例.

Availability Zone : CloudStack Zone
Pod : Public Network
Name : Primary Storage for CloudStack Zone
Protocol : NFS
Server : 192.168.0.254
Path : /primary

ここの例では,192.168.0.254のサーバが/primaryのディレクトリをNFSで提供している必要があります.

Secondary Storage

次に,Secondary Storageの設定を行ないます.
ブラウザ上からStorage->Secondary Storageを移動し,Add Secondary Storageをクリックします.
Secondary Storageは,Primary Storageと違って,NFSでしか利用できません.
また,Primary StorageをNFSで利用している場合,同じディスクスペースを利用することもできます.
入力する項目は以下の通りです.

Availability Zone : Primary Storageを同じです.
NFS Server : NFSを提供しているサーバのIPアドレス,またはFQDNを入力します.NFS ServerはManagement Serverからアクセス出来る必要があります.
Path : NFSでマウントするためのPathを設定します.

例.

Availability Zone : CloudStack Zone
NFS Server : 192.168.0.254
Path : /secondary

Primary Storageと同じく,ここの例では192.168.0.254のサーバが/secondaryのディレクトリをNFSで提供している必要があります.

ここまでの設定が正しく完了すると,Management Serverがテンプレートの仮想OSイメージをダウンロードします.
ダウンロードの状況は,ブラウザ上でTemplates->Templateに移動すると確認できます.
ダウンロードするイメージは,System用のイメージとルータ用のイメージ(どちらもFedora 12)と,CLIで起動するCentOS5.5の3つです.

image.png

ダウンロードが完了したら,ストレージの設定は終了です.


添付ファイル: fileimage.png 3220件 [詳細] fileDashboard.png 3542件 [詳細]

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Last-modified: 2010-07-26 (月) 10:15:02 (5024d)