EucalyptusAdministratorGuide_v1.5.2


ソースからのインストール

注意:Eucalyptus 1.5.1 以前のバージョンからアップグレードする場合は、旧バージョンの Eucalyptus をアップグレードするには を御覧ください。ページ中で、ユーザカウント情報、イメージやボリュームのスナップショットを保存する方法を御案内しています。

1. Eucalyptus のダウンロード

ダウンロードは、

  • eucalyptus-1.5.2-src.tar.gz ( java ライブラリを含む Eucalyptus のソース) 又は、
  • eucalyptus-1.5.2-src-online.tar.gz ( ビルド時に java ライブラリをダウンロードする Eucalyptus のソース ) あるいは両方の、
  • eucalyptus-1.5.2-src-deps.tar.gz ( Eucalyptus の C 言語依存ライブラリ ) をダウンロードしてください。

ダウンロードを行うすべての必要なパッケージ群は、Eucalyptus のウェブサイト上にあります。

Eucalyptus のソースを展開するには、次のように実行します。

tar zvxf eucalyptus-1.5.2-src.tar.gz

コマンドを実行しますと、eucalyptus-1.5.2 ディレクトリが作られます。以降のインストール作業を簡単にするために、環境変数を設定しておくことを推奨します。環境変数 EUCALYPTUS_SRC は、Eucalyptus のソースツリーが、どこに展開されているか(パス)を明示します。また、環境変数 EUCALYPTUS は、どのディレクトリに Eucalyptus をインストールするかの指定です( /opt/eucalyptus/ を指定することを推奨します)。

cd eucalyptus-1.5.2
export EUCALYPTUS_SRC=`pwd`
export EUCALYPTUS=/opt/eucalyptus

2. 関連パッケージのインストール

Eucalyptus をインストールするためには、Eucalyptus が動作時に必要となる(依存関係のある)パッケージ群も構築が必要です。必要となるパッケージは、先に述べた eucalyptus-1.5.2-src-deps.tar.gz で提供されています。なお、このページではスムーズなインストールのために、展開されているファイルは 「 $EUCALYPTUS_SRC/eucalyptus-src-deps/ 」に置かれており、「 $EUCALYPTUS/package 」にインストールするものと仮定します。

パッケージを展開して、ディレクトリを作成するには、次のようにします。

cd $EUCALYPTUS_SRC
tar zvxf ../eucalyptus-1.5.2-src-deps.tar.gz
mkdir -p $EUCALYPTUS/packages/

それから、関連パッケージをビルドし、インストールしてください。次に示す手順は、特定の Linux ディストリビューション向けのものであり、一般的ではありません。構築時には、各々のパッケージに付属しているドキュメントを参考になさってください。

a. Axis2

cd $EUCALYPTUS/packages
tar zxvf $EUCALYPTUS_SRC/eucalyptus-src-deps/axis2-1.4.tgz

b. Axis2/C

Axis2/C をコンパイルするには、Apache と APR のために、開発ファイルの場所を明示しておく必要があります。ディストリビューションによっては(Ubuntu や Debian など)、次のコマンドで指定できます。

export APACHE_INCLUDES=/usr/include/apache2
export APR_INCLUDES=/usr/include/apr-1.0

CentOS 5.3 では、次のように指定してください。

export APACHE_INCLUDES=/usr/include/httpd/
export APR_INCLUDES=/usr/include/apr-1/

OpenSUSE 11 では、次の場所を指定できるでしょう。

export APACHE_INCLUDES=/usr/include/apache2/
export APR_INCLUDES=/usr/include/apr-1/

これら2つの環境変数を明示したあと、Axis2/C の構築・インストールを行います。

export AXIS2C_HOME=$EUCALYPTUS/packages/axis2c-1.5.0
cd $EUCALYPTUS_SRC/eucalyptus-src-deps/
tar zvxf axis2c-src-1.5.0.tar.gz
cd axis2c-src-1.5.0
CFLAGS="-w" ./configure --prefix=${AXIS2C_HOME} --with-apache2=$APACHE_INCLUDES --with-apr=$APR_INCLUDES
make ; make install

c. Rampart/C

export AXIS2C_HOME=$EUCALYPTUS/packages/axis2c-1.5.0
export LD_LIBRARY_PATH=${AXIS2C_HOME}/lib:$LD_LIBRARY_PATH
cd $EUCALYPTUS_SRC/eucalyptus-src-deps/
tar zvxf rampartc-src-1.2.0.tar.gz
cd rampartc-src-1.2.0
./configure --prefix=${AXIS2C_HOME} --enable-static=no --with-axis2=${AXIS2C_HOME}/include/axis2-1.5.0
make ; make install
sed --in-place 's/<!--phase name="Security"\/-->/<phase name="Security"\/>/' $AXIS2C_HOME/axis2.xml

d. その他のソフトウェア

Eucalyptus の動作が必要でありながら、Eucalyptus のパッケージに含まれていないソフトウェアについては、動作条件 のページを参照してください。

また、Eucalyptus を直接制御したい場合は、EC2 互換のコマンドラインで動作するツールをインストールしなくてはいけません。euca2oolsという、コマンドライン・ツールの導入方法に関するドキュメントは Eucalyptus チームから配布されています。ユーカリの生態系というページでも紹介しているように、ほかにも多くのサード・パーティ製のツールを使っての連携もできます。

3. Eucalyptus のビルド

cd $EUCALYPTUS_SRC
./configure --with-axis2=$EUCALYPTUS/packages/axis2-1.4 --with-axis2c=$EUCALYPTUS/packages/axis2c-1.5.0 --enable-debug --prefix=$EUCALYPTUS
cd clc/; make deps; cd ..
make ; make install

4. Eucalyptus の設置

a. ファイルの同期

この段階で、Eucalyptus を複数のノードを使って利用したい場合は、ほかのノードに対してソフトウェアを送っておいても構いません。たとえば、Eucalyptus 自身や上記の関連パッケージを、現在のディレクトリに以下インストールする方法をとれば、何らかの方法(たとえば rsync など)を使って、それぞれのノードに同期して使う方法も可能です。

rsync -a $EUCALYPTUS/ root@node1:$EUCALYPTUS/
rsync -a $EUCALYPTUS/ root@node1:$EUCALYPTUS/
...

インストール時に root ユーザが存在しない環境(Ubuntu など)では、それぞれのノードからファイルを取りに行ったほうが良いかもしれません。

node1# rsync -a user@headnode:$EUCALYPTUS/ $EUCALYPTUS/   ←ノード1上でコマンドを実行
node2# rsync -a user@headnode:$EUCALYPTUS/ $EUCALYPTUS/   ←ノード2上でコマンドを実行
...

注意:Eucalyptusu をノードにインストールするときは、管理し易くなるよう、すべてのノード上で同じ場所にすることを強く推奨します。

b. ユーザ追加

次は、すべてのノード上で、Eucalyptus を実行するユーザを追加します(ここでは eucalyptus とします)。ほとんどのディストリビューションでは、次のコマンドを実行するだけでよいでしょう。

useradd eucalyptus

OpenSUSE の場合は、次のようにしてください。

groupadd eucalyptus
useradd eucalyptus -m -g eucalyptus

c. libvirt のセットアップ

次も、すべてのノード上で、libvirt を通じてハイパーバイザーを制御できることを確認してください。幾つかのディストリビューションでは、/etc/group ファイルの libvirtlibvirtd グループの中に、eucalyptus を追加することで作業は終わります。各々のパッケージに付属している libvirt のドキュメントを参考になさってください。

簡単な動作確認の方法は、eucalyptus ユーザ権限で、virsh list コマンドを実行してみることです。もし、eucalyptus ユーザに必要な権限がなければ、エラーが表示されます。

d. euca_conf

最後も、すべてのノード上で、設定ファイルに対し、動作時に必要となる、すべてのパラメータの記載と、セットアップが適切に行われているか確認をする必要があります。これらの設定は、euca_conf ツールを使っても構いません。

  • -d … Eucalyptus をインストールしたルート・ディレクトリを指定します($EUCALYPTUS)
  • -hypervisor … ハイパーバイザーを指定します ('xen' 又は 'kvm')
  • -instances … すべての計算ノード上で、インスタンスファイルがどこに保存されるか指定します。
  • -user … これまでに作成した Eucalyptus の実行ユーザを指定します。
  • -setup… 初めてセットアップを実行するときに指定します。
$EUCALYPTUS/usr/sbin/euca_conf -d $EUCALYPTUS -hypervisor kvm \
   -instances /usr/local/eucalyptus -user eucalyptus -setup

5. ディストリビューションごとの追加作業

ディストリビューションによっては、Eucalyptus を動作させるには、追加の作業が必要になります。このセクションでは、ディストリビューションごとの設定を紹介します。

Ubuntu 9.04 では、dhcpd3 がファイルシステムに書き込みができるよう、AppArmor? の調整が必要になります。以下の行を /etc/apparmor.d/usr.sbin.dhcp3 に追加してください。

/opt/eucalyptus/var/run/eucalyptus/net/ r,
/opt/eucalyptus/var/run/eucalyptus/net/** r,
/opt/eucalyptus/var/run/eucalyptus/net/*.pid lrw,
/opt/eucalyptus/var/run/eucalyptus/net/*.leases* lrw,
/opt/eucalyptus/var/run/eucalyptus/net/*.trace lrw,

/opt/eucalyptus の部分は、それぞれ自分が Eucalyptus をインストールした場所に置き換えてください。記入語、AppArmor? を restart します(注意:時々 restart した直後は、設定が正しく反映されてないことがあります。そのような場合は、しばらく待つよりも、システムを再起動した方が確実でしょう)。

/etc/init.d/apparmor stop
/etc/init.d/apparmor start

以上の手順を終えれば、Eucalyptus の起動準備が整いました。Eucalyptus を起動する前に、ネットワークの設定を済ませることもできます。ネットワークの設定は、設定ガイドを御覧ください。

6. マシン起動時に Eucalyptus を自動起動する設定

マシン起動時(再起動時)に、自動的に Eucalyptus を起動する設定をしたい場合は、それぞれのホストで、ふさわしいシンボリック・リンクを作成してください。

ln -sf $EUCALYPTUS/etc/init.d/eucalyptus-cloud /etc/init.d/eucalyptus-cloud
ln -sf $EUCALYPTUS/etc/init.d/eucalyptus-cc /etc/init.d/eucalyptus-cc
ln -sf $EUCALYPTUS/etc/init.d/eucalyptus-nc /etc/init.d/eucalyptus-nc

ディストリビューションによっては、シンボリック・リンクを作成する以外にも、自動的に起動する設定を行うことができます。例えば、update-rc.d が使える状態であれば、

update-rc.d eucalyptus-cloud defaults

このように実行するか、chkconfig が使える場合は、

chkconfig eucalyptus-cloud on

このように実行してください。


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原文:http://open.eucalyptus.com/wiki/EucalyptusSourceCodeInstallation_v1.5.2


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Last-modified: 2009-09-22 (火) 00:49:36 (5350d)