[[CloudStack/概要]]
[[CloudStackのインストール>CloudStack/インストール方法]]が終わったのであれば,次にCloudStackの初期設定を行っていきます.
ここからは,Management Serverで作業を行ないます.
* Zoneの設定 [#v02ba266]
[[CloudStackのインストール>CloudStack/インストール方法]]が終わった直後は,Zoneの設定を行っていないため,まだ仮想マシンを作成することが出来ません.~
ブラウザにもConfigureのタブしか表示されていません.
ですので,まずはZoneの設定を行ないます.~
ブラウザ上で,Configure->Zonesと移動し,Add a Zoneをクリックします.~
各入力項目は,以下のようになっています.~
Name:Zoneの名前.
DNS1:Public Networkで利用出来るDNSサーバのIPアドレス.
DNS2:DNS1と同じ.
Internal DNS1:ローカルネットワーク内でのDNSサーバのIPアドレス.基本的にNATの構成を取るため,DNS1と同じで良い.
Internal DNS2:Internal DNS1と同じ.
Guest CIDR:GuestOSに割り当てるローカルIPアドレスを入力.XXX.XXX.XXX.XXX/YYの形式で入力する.
例
Name : CloudStack Zone
DNS1 : 192.168.0.1
DNS2 : 192.168.0.2
Internal DNS1 : 192.168.0.1
Internal DNS2 : 192.168.0.2
Guest CIDR : 10.1.1.0/24
Zoneの設定後は,PodとPublic IP Rangeの設定を行ないます.
** Podの設定 [#b04b3c3b]
Podの設定では,PublicネットワークのIPアドレス,またその範囲を設定します.~
入力項目はPOD.CIDR,IP Rangeの3つです.~
各項目に入力すべき内容は,以下の通りとなっています.
POD:そのPodを一意に示す名前を入力します.単に名前をつけるだけですので,何を入力しても構いません.
CIDR:Public NetworkのIPアドレスとネットマスクを設定します.CIDRと書いてある通りXXX.XXX.XXX.XXX/XXの形式で入力します.Zoneで設定したのはLocal NetworkのIPアドレスで,ここで入力するのは,Public NetworkのIPアドレスです.
IP Rangeは,CIDRで設定した中でCloudstackが割り当てるIPアドレスの範囲を設定します.入力欄が2つありますので,開始アドレスと最終アドレスを入力します.
例.
POD:Public Network
CIDR:192.168.0.0/24
IP Range:192.168.0.3 - 192.168.0.253
** Public IP Rangeの設定 [#k29326d8]
Public IP Rangeの設定では,Public Networkの情報を入力します.~
入力項目は.GatewayとNetmaskとIP Rangeの3つです.~
各項目に入力すべき内容は,以下の通りとなっています.
Gateway : Public Networkで利用しているGatewayのIPアドレス.
Netmask : Public NetworkのNetmask.
IP Range : Public Networkで利用するIPアドレスの範囲.Podで設定したIP Rangeと同じ.
例.
Gateway: 192.168.0.1
Netmask: 255.255.255.0
IP Range: 192.168.0.2 - 192.168.0.253
ここまで設定すると,ブラウザ上にConfigure以外のタブが表示されます.
Computing Nodeの設定を正しく行なっていれば,Dashboardに利用出来るリソースが表示されています.~
以下の図ような画面が表示されれば,クラスタ環境は正しく構築されています.
#ref(Dashboard.png)
* Storageの設定 [#i5e96d59]
Zoneの設定後は,Storageの設定を行ないます.~
Storageの設定では,Primary StorageとSecondary Storageの設定を行ないます.~
ここでは,Storageを提供するサーバはManagement Server,Computing Nodeとは別に別途Storage Serverとして,NFSを提供しているサーバを用意しています.
** Primary Storageの設定 [#s3f73f55]
まず,ブラウザ上でStorage->Primary Storageと移動しAss Primary Storageをクリックします.~
その後,Primary Storageの情報の入力を求められるので,ストレージサーバの情報を入力します.~
Management Serverがストレージをマウントできれば,利用可能なストレージが登録されます.~
なお,Primary StorageにはNFSとiSCSIが利用可能です.~
Primary Storageで入力する情報は以下の通りとなっています.
Availability Zone : 登録するディスクスペースを利用するZoneを選択します.
Pod : Availability Zoneと同じく,Zone内でも,ディスクスペースを利用するPodを選択します.
Name : Primary Storageの名前を入力します.ユニークな名前であれば何でも構いません.
Protocol : ディスクスペースをどのプロトコルで利用するかを選択します.Primary StorageではNFSとiSCSIが選択できます.
Server : Primary Storageを提供するServerのIPアドレス,またはFQDNを入力します.ServerはManagement Serverからアクセス出来る必要があります.
Path : NFSまたは,iSCSIでマウントするための,Pathを入力します.
例.
Availability Zone : CloudStack Zone
Pod : Public Network
Name : Primary Storage for CloudStack Zone
Protocol : NFS
Server : 192.168.0.254
Path : /primary
ここの例では,192.168.0.254のサーバが/primaryのディレクトリをNFSで提供している必要があります.
** Secondary Storage [#b027c516]
次に,Secondary Storageの設定を行ないます.~
ブラウザ上からStorage->Secondary Storageを移動し,Add Secondary Storageをクリックします.~
Secondary Storageは,Primary Storageと違って,NFSでしか利用できません.~
また,Primary StorageをNFSで利用している場合,同じディスクスペースを利用することもできます.~
入力する項目は以下の通りです.
Availability Zone : Primary Storageを同じです.
NFS Server : NFSを提供しているサーバのIPアドレス,またはFQDNを入力します.NFS ServerはManagement Serverからアクセス出来る必要があります.
Path : NFSでマウントするためのPathを設定します.
例.
Availability Zone : CloudStack Zone
NFS Server : 192.168.0.254
Path : /secondary
Primary Storageと同じく,ここの例では192.168.0.254のサーバが/secondaryのディレクトリをNFSで提供している必要があります.
ここまでの設定が正しく完了すると,Management Serverがテンプレートの仮想OSイメージをダウンロードします.~
ダウンロードの状況は,ブラウザ上でTemplates->Templateに移動すると確認できます.~
ダウンロードするイメージは,System用のイメージとルータ用のイメージ(どちらもFedora 12)と,CLIで起動するCentOS5.5の3つです.~
#ref(image.png)
ダウンロードが完了したら,ストレージの設定は終了です.