EucalyptusAdministratorGuide_v1.6
Eucalyptus クラウドのセットアップは5つのコンポーネントから成り立っています。トップレベルのコンポーネントは、クラウド・コントローラ(CLC)とWalrus(ウォールラス*1)であり、クラウドの構築毎に1つ構成します。クラウド・コントローラは、Amazon EC2と互換性をもつSOAPと「クエリ」インターフェイス、また外部から操作可能なWebインターフェイスを提供します。クラウド・コントローラは外部からのリクエストに応答することにくわえて、高度なリソーススケジューリングとシステム管理*2を行います。Walrusは、同じくJavaで記述され、Amazon S3互換のバケット(bucket)型ストレージを提供します。WalrusはAmazon S3互換のSOAP, RESTインターフェイスでクラウド内部および外部から利用可能です。
トップレベル・コンポーネントは複数のクラスタのリソースを集約します。例えばファイアウォールの内側にある1つのLANを共有しているノードのリソース情報を集約します。個々のクラスタにはクラスタレベルのスケジューリングとネットワークの制御を行うクラスタ・コントローラ(CC)、Amazon EBS (Elastic Block Storage) のようなブロック・ベースのストレージを提供するストレージ・コントローラ(SC)が必要です。この2つのコンポーネント(SC, CC)は一般的にクラスタのヘッドノードにインストールします(実際にはクラスタがファイアーウォールの内部にある場合にインストールします)。最後に、ハイパーバイザを持つ個々のノードにハイパーバイザを制御するためのノード・コントローラ(NC)をインストールします。クラスタ・コントローラ(クラスタレベルのスケジューリングと、ネットワークの制御)と、ノード・コントローラ(ハイパーバイザの制御)は、C 言語で記述され、Apache 内部のウェブサービスとして実装されています。ストレージ・コントローラ(SC)はJavaで記述されています。これら3つのコンポーネント(CC, SC, NC)はそれぞれWS-Seruciry*3 を用いた SOAP*4 プロトコルで通信します。
このガイドの大部分は「シングルクラスター」構成を想定して記述されています。シングルクラスター構成では、ノード・コントローラ(NC)以外の全てのコンポーネントは「フロントエンド」と呼ぶ1台のマシンにインストールされます。ノード・コントローラ(NC)がインストールされるマシンは「ノード」と呼びます。Eucalyptusではより複雑な構成を取ることもできます。例えば複数のクラスタ・コントローラ(CC)を扱ったり、Walrusを異なるマシンにインストールする構成も可能です。この場合の「フロントエンド」とは、単にクラウド・コントローラ(CLC)が動作しているマシンを指します。
Eucalyptus のインストールはソースコードからのインストールのほか、パッケージ(RPM 及び DEB)を使ってのインストールも可能です。ソースコードを使う方法は汎用的なもので、ほとんどのあらゆる Linux システムで動作するでしょう。パッケージでインストールできるディストリビューションは限られます。1.6で対応するのは以下のディストリビューションです。
以前のバージョンのEucalyptusよりアップグレードする場合はアップグレードドキュメント?の手順に従ってください。
何か問題が起こるようであれば、よくあるトラブルの解決方法としてトラブルシューティング・ガイドを御覧ください。
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